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イヌの人工血液、宇宙技術で=たんぱく質解析、合成―中大など
献血システムがある人間と異なり、イヌなどの動物医療では輸血用の血液確保が深刻な問題となっている。中央大と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究チームは、国際宇宙ステーションで培ったたんぱく質解析技術を使い、イヌ用の人工血液を開発した。長期保存が可能で、血液型に関係なく使えるといい、5年後の製品化を目指す。論文は10日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

 人工血液は酸素を運ぶ能力が重要。ウシのヘモグロビン(酸素を運ぶたんぱく質)を使った製剤もあるが、副作用も多かった。イヌの血液中のたんぱく質(アルブミン)でヘモグロビンを覆えば副作用は避けられるが、アルブミンはイヌの血液から採取するしかなく、安定供給が難しかった。

 中央大の小松晃之教授らは遺伝子組み換え技術を用い、酵母にイヌのアルブミンを作らせることに成功。このアルブミンでウシのヘモグロビンを包んだ分子を合成した。

 研究チームはJAXAが持つたんぱく質の解析技術で分子の立体構造を詳細に分析し、安全性や酸素を運ぶ能力などを確認。実際にイヌに投与したところ、安全性に問題はなかったという。 

 小松教授は「今回の分子は宇宙に行ったものではないが、宇宙の経験を生かした新しい技術が導入されている」と話している。
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