2015-02-08 Sun
宇宙が約138億年前にビッグバンで誕生した後、初期の星や銀河が放つ光が自由に進まず、望遠鏡で観測できない「暗黒時代」は約5億5000万年後まで続いた可能性が高いと、国際研究チームが7日までに発表した。欧州宇宙機関(ESA)の天文衛星プランクが観測した成果で、米衛星WMAPの観測に基づく従来の推定より約1億年長いという。宇宙誕生の推定時期は2013年に、WMAPの観測に基づく約137億年前から、プランクの観測に基づく約138億年前に更新された。今回の成果で、宇宙の歴史がまた書き換えられる可能性が出てきた。
ビッグバンの際、超高温・高密度だった宇宙は膨張に伴って冷え、約38万年後に陽子と電子が結合して水素原子ができた。その後、星や銀河ができ始めても、この時期は光が水素原子に吸収されて望遠鏡で観測できないため暗黒時代と呼ばれる。
しかし、多数の星が放出する紫外線によって宇宙空間を占める水素原子が再び陽子と電子に分かれると、暗黒時代が終わり、星や銀河の光が進むようになったと考えられている。
国際チームはプランクで、宇宙全体から届くマイクロ波「宇宙背景放射」を高精度で観測した。宇宙背景放射はビッグバンから約38万年後以降の宇宙を探る重要な手掛かりとなっている。
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